背景
過去34年間でアフリカゾウの個体数は悲しくなるほど少ない数に減少しました。主に象牙取引がその原因です。野生のアフリカゾウは約47万頭いると言われていますが、これは1979年に自然の中を歩き回っていた130万頭とは痛々しいほど対照的です。
1989年、国際象牙貿易はCITES(ワシントン条約)により禁止されました。密猟数は劇的に減り、ブラック・マーケットの象牙の値はどっと落ちました。ワシントン条約がアフリカゾウを救ったかのように見えました。
ところが、1997年、ワシントン条約はゾウ種を「それほど絶滅の危機にはない」状態へダウンリストしたのです。象牙の需要が減ったからという理由でした。たった1年後、台湾の港で象牙が合計1.45トン押収されました。2002年、ボツワナ、ナミビア、ジンバブエが条件つきで象牙60トンを輸出することが認められました。その結果、2008年に108トンが日本と中国に渡りました。
この売却は、拡大し続ける中国の中産階級層の象牙欲をさらに焚きつけるのではないかと予想した人もたくさんいました。1989年以降で密猟率は過去最高の現在、その予想は悲しくも正確でした。今や公認された事実は、「密猟と違法取引のレベルは再度急上昇し、手に負えないほどに上がり続けている」。
現在、象牙取引のために年間38,000頭のゾウが殺されていると見積もられています(S. ウォザー博士の押収象牙の遺伝子研究による)。このままでは、2025年までにゾウは絶滅する可能性があります。小規模でより影響を受けやすいゾウ個体数の局地的な絶滅の報告が続いており、残りのゾウすべてを失う状態に徐々に近づいている国が多数あります。
象牙取引と違法なゾウ殺しのつながりは明らかです。学ぶところの多い証拠をもとに行動を起こさない限り、我々が生きている間にアフリカゾウは消えてしまいます。
この運動について

DSWT(デイビッド・シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト)の iWorry(「アイ・ウォリー」)運動の目的は、ゾウの未来を守るために、今すぐ国際象牙取引を廃止せねばならないという意識を広めることです。
象牙取引は過去の問題だと思う人が多いでしょう。しかし実は、現在の象牙密猟発生率の増加傾向がこのまま続くと、アフリカゾウは2025年までに絶滅する可能性があるのです。考えるだけで恐ろしいことです。
データによると、2011年は2002年以降でゾウの違法殺戮が最悪の年でした。 2011年内、23トン以上の象牙が押収されました。これは、約2,500頭のゾウが殺されたことに相当します。
アフリカのゾウの個体数は、1970年代の130万頭から、現在約40万頭にまで減少しました。DSWTの活動域であるツァボ生態系では、1970年にはゾウは推定で4万5千頭いましたが、今は約1万2千頭しか残っていません。
象牙市場がある限り、ゾウは残酷にも「牙」をとるために殺されるのです。我々は、ゾウを愛するすべての人に、象牙に反対して (セイ・ノー・トゥ・アイボリー)、ゾウのために立ち上がっていただきたいのです。
ゾウを愛する我々「デイビッド・シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト」は、ゾウがいない世界など想像できません。しかし、わたしたちが皆、力を合わせてゾウのために立ちあがり、象牙売買に反対する戦いに挑まなければ、アフリカゾウは永遠に消えてしまうでしょう。
運動に参加しよう
署名欄
署名運動ニュース
ワシントン条約締約国会議 (CITES CoP16) まであと数日となったので、一時的にオンライン署名運動フォームを取り外すことになりました。集まった44,300の署名をCITES事務官に提出します。
アイ・ウォリーのページをご覧になり、象牙に反対し、署名してくださった皆さんひとりひとりに大いに感謝します。3月3日から14日までバンコクで開催されるワシントン条約締約国会議の間も、ウェブサイトの更新をしていきますので、今後も続けてご覧ください。
ゾウにとってきわめて重要な今、ご支援、ご尽力くださり、ありがとうございます。
みんなに署名してもらおう
2012 年9月から2013年3月の6ヶ月間に署名数36,000を集めるという当初の目標を、サポーターの皆さんのおかげで実現することができました。ワシントン条約締約国会議まであと1ヶ月、署名数50,000を目指し、象牙に断固反対する我々の決意を強めていきましょう。すべての象牙取引禁止の実現のためにご支援ください。ご家族、お友達にも署名参加をぜひおすすめしてください。ソーシャル・メディアを使って、お知り合いの方々皆にこの運動の話をしてください。象牙取引の問題は今や前代未聞の規模であり、ゾウを守りたいのなら今すぐ立ち上がらねばなりません。もう時間がなくなってきているのです。
印刷用の署名フォームをダウンロードできます。プリントして、ご家族やお友達に署名してもらいましょう。お送りいただいた署名はオンラインの象牙反対署名に追加します。
ゾウのために意見しよう
あなたの国のCITES会議の担当官に投書することは、象牙取引に終止符を打つために最も効果的でしょう。(日本のCITES担当機関は経済産業省と環境省です。)
• CITES (ワシントン条約)ウェブサイト www.CITES.org
• 各国のCITES担当機関 http://www.cites.org/cms/index.php/lang-en/component/cp/
いかなる状況であっても象牙の取引は合法化されるべきではない、とあなたの国の担当官へ意思表示してください。なぜなら、備蓄された象牙を合法的に売買することは、密猟数が増加することにつながるからです。
担当機関への手紙の見本(日本語)をダウンロード
これを参考にして担当機関へ手紙かメールを送ってください。
iWorry のポスターをダウンロード
お友達に送ったり、 印刷して、 この運動について広めてください。
絶対に象牙を買わない、売らない、飾らない
象牙からできたものを買うことや、象牙のものを飾ることは、象牙製品の販売と需要の増加を促し、以後の売買につながります。すでにある象牙製品を、今後市場に戻らない形で処分することは、象牙取引継続廃止に役立ちます。備蓄された「古い」象牙と見せかけ、「新品」の違法象牙が出回っている場合がよくあります。ですから、絶対に象牙を売り買いしてはいけません。
象牙反対の意を広めよう
アフリカゾウが直面している危機の深刻さに、多くの人は気がついていません。ご家族やお友達に話して、この問題について意識するようはたらきかけてください。保護活動の最前線にいるチャリティー団体(DSWTなど)をサポートしてください。そうすることで、ゾウたちに、現在の危機を切り抜け、将来も野生で繁栄するチャンスをあげられます。
デイビッド・シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト(DSWT)www.sheldrickwildlifetrust.org
子ゾウを養子にしよう

DSWTが救出した子ゾウは、野生に戻るまでに10年ほど世話を要します。子ゾウ1頭ごとに柵がいり、専門の飼育係が24時間つきっきりで面倒を見、3時間ごとに特別調合されたミルクを与え、さらに薬や栄養剤が必要な時もあります。子ゾウ1頭の養育費は、年齢群を平均して月500米ドルです。年少の保育園組の子ゾウに最良のケアを与えるためには月800米ドルかかります。あなたも子ゾウを養子にして(フォスター)、ゾウたちの「家族」になりませんか。年50米ドルの寄付が、DSWTのオーファンズ・プロジェクト(「オーファン」は孤児の意)の必要経費の大きな助けとなります。フォスター・ペアレント(里親)には、証明書のほかに、養子にした子ゾウの情報が毎月メールで送られ、写真なども見ることができます。
寄付をしよう
あなたにできる範囲で、DSWTに寄付をお願いします。ケニア内でのアンティ・ポーチング(反密猟)という重要な活動や、すでに密猟の被害にあっている子ゾウの養育は、寄付のおかげで続けられるのです。
http://www.sheldrickwildlifetrust.org/html/help.html
ソーシャル・メディア
アイ・ウォリー日本語フェイスブック・ページ
デイビッド・シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト日本語フェイスブック・ページ
フェイスブックのカバー写真用バナー「絶滅は永久」(リチャード・シモンズ作)をダウンロード。
作者のリチャード・シモンズに感謝します。
運動に関するニュース
動こうとしなかったCITES(ワシントン条約締約国会議)
第16回ワシントン条約締約国会議が先月開催されました。誰もが聞きたいのは、「ゾウを守るためにどんな措置がとられたか」です。
「押し寄せる血まみれの象牙」香港で大型押収
ナショナル・ジオグラフィック
2013年1月5日
1,000キロ以上のアフリカ象牙を香港の税関が押収した。ほぼ150万ドルの価値だという。積荷に隠されていた今回の779本の象牙は、過去3か月で3番目に大きな押収で、マレーシア経由でケニアから海路で密輸された。「考古学用の石」と報告された船荷のコンテナが、通例のレントゲン検査により、無価値の石の下の5箱の木枠内に隠された象牙と判明した。香港は重要な貿易および物流の中枢地であり、当局は象牙密輸者に利用されることなど許容しない。2012年10月20日、ほぼ350万ドルの価値のある4トン近くの象牙を2件の積荷の中で発見した。この発覚に続き、翌月1トンを超える押収があった。アフリカ象牙取引の再燃は、中国とタイの、装身具や装飾品として使用するための需要増加が駆り立てている。中国は道路、橋、運河、ダム、油田などをアフリカで建設している。エチオピアにあるアフリカン・ユニオンの新しい本部は、中国が建設し、資金助成したもので、アフリカ大陸における中国の拡大しつつある権勢の記念碑として建っている。この支配力と人と市場への無類のアクセス力が象牙取引再燃とアフリカゾウの広範囲における殺戮を焚きつけている。アフリカの武装市民軍は、象牙、石油、ダイアモンド、貴重鉱物を150年以上も資金源にしてきた。「ジャンジャウィード」や「ローズ・リジスタンス・アーミー」などの武装軍は、中国や日本からの象牙の買い取り人や依頼人と関連があることが最近明らかになった。2012年、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)委員会は、ゾウの密猟レベルはこの10年で最も高く、象牙押収数記録も1989年から最多に達した、と述べた。
http://newswatch.nationalgeographic.com/2013/01/05/blood-ivory-surges-massive-seizure-in-hong-kong/ (英文)
DSWTについて
iWorry は、デイビッド・シェルドリック・ワイルドライフ・トラスト(DSWT)による運動です。
DSWTは、アフリカの野生動物とその生息地を守るべく、現場の最前線で日々活動している団体です。ナイロビのゾウ孤児院を通して最も知られています。孤児が大きくなったら、ツァボ国立公園内に2ヶ所ある「再統合センター」のいずれかに移し、野生に戻るのに必要なことを学ばせます。DWSTが世話をしている58頭の像は、ゾウが現在直面している危機を絶えず示しています。DSWTはもともとは運動団体ではありませんが、象牙取引の拡大によって起きている危機の深刻な状況を救うためには、わたしたち皆が一緒に立ち上がる必要があります。象牙取引の廃止のための運動をしている他のNGO(国際動物福祉基金(IFAW)、環境調査エイジェンシー(EIA)、ボーン・フリー基金(Born Free)、世界自然保護基金(WWF)など)とDSWTは声を合わせ、この問題についての意識を広めたいのです。まだ時間があるうちに、わたしたちひとりひとりがゾウのために声をあげることが必要なのです。
- ナショナル・ジオグラフィック誌の記事「ブラッド・アイボリー(血にまみれた象牙)」(英文)
- ナショナル・ジオグラフィック誌日本版2012年10月号「象牙と信仰」
- 環境調査エイジェンシー(EIA)の調査書 (英文)
- DSWT 反密猟班活動情報 (英文)
iWorry (アイ・ウォリー)の名称とコンセプト・デザインは、デザイナーのアビシェク・デサイ氏(Abhishek Desai) によって作られました。全世界からの注目が必要な問題に視点をあてた、ある国際的なポスター・デザインのコンクールのために、アビシェクが思いついたのがiWorryでした。DSWTのナイロビのゾウ孤児院を訪れたことのあるアビシェクは、違法象牙取引の問題を一般の人々に知ってもらうためのポスターを作りたいと思ったのです。ちょうど我々DSWTが象牙問題についての国際的な運動を始めようとしていた時に、アビシェクがiWorryのデザインの使用を許可してくださったことに深く感謝しています。アビシェクの基本デザインとiWorryの名称は、我々の運動のビジュアル面の基礎となっています。我々DSWTは、皆さんも運動に参加してくださることを願っています。










